株式の分散による弊害
会社のオーナーであった創業者が亡くなると、創業者が保有していた株式が相続の対象となります。後継者に株式を相続させる場合、他の相続人との公平や遺留分の観点から、他の相続人に分配する財産を確保しておく必要がありますが、時間的な理由や資金的な理由で、必ずしも確保できない場合があります。そのような場合に利用できるのが種類株式です。
種類株式とは
通常株式を保有している株主には、1株につき1個の議決権があり、これを株主総会で行使することで経営に参加できます。また、持ち株数に応じて配当を受けることもできます。これらの議決権や利益配当請求権の行使に際しては、株主平等の原則が働くので、持ち株数に応じて平等に取り扱われるのが原則です。
これに対し、種類株式には、株主が有する権利のうち、一定のものについて異なる扱い(例えば特定の株式を有する株主には利益配当請求権がない等)をすることが会社法上認められています(会社法109条2項)。
このような、個別の事項について異なる扱いを受ける株式を種類株式といいます。
事業承継における優先株式・議決権株式の利用
優先株式とは、会社が利益を配当する際に、他の株式と比較して優先して配当を受けることができるという種類株式です。
議決権制限株式とは、株主総会で議決権を行使できる事項が限定されたり、一切の事項について議決権がなかったりするという種類株式です。
事業承継においては、後継者が会社の経営権を握ることが重要であり、そのためには、相続に伴って株式の所有者が分散することを避ける必要が有りますが、財政状況などによってはこれが困難な場合があります。
そのような場合に、後継者以外の者が有する株式を、優先株式とする代わりに、議決権を制限するという方法で経営への介入の防止を図ることが可能です。
現時点では、後継者以外の株主が後継者の経営方針等に賛成していても将来それが維持されるとは限りませんし、後継者以外の株主に相続が生じてさらに他の者に株式が移転してしまうことも考えられます。そのような場合でも、役員の選任など会社の重要事項については、議決権を行使できないようにしておくことで、経営権の安定を図ることが可能になります。

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